(1)の最後に示した,接合後のDEMの左上の経緯度(JGD2000測地系)を,Tokyo測地系の経緯度へ変換しておきます。変換にはTNTmipsのMap Calculatorを使います↓。

東経136度45分00.000秒(JGD2000)
→136度45分10.746秒(Tokyo)
北緯37度00分00.000秒(JGD2000)
→36度59分49.196秒(Tokyo)
と,概ね11秒ずつずれます。
(注意)ここで作成しているDEMは,後にカシミール3Dから”USGS30秒/GTOTP30”形式で読み込みます。
USGSは米国地質調査所のことなので,左上の経緯度はWGS84(≒JGD2000)の経緯度を指定すればよい,つまり変換せずに地理院DEMの元々の経緯度を使えばよいと思い込み,変換なしのそのままの経緯度を使っていたら,何度やっても山の頂上が400〜500mずれ,途方に暮れていました。
で,左上の経緯度の値を,上述のように,Tokyo測地系(旧日本測地系)の値に変えてやったらうまく山頂がDEMの極大地点と一致しました。
どうやらカシミール3Dは,”USGS30秒/GTOTP30”形式のDEMの経緯度を,Tokyo測地系のものに決め打ちして読み込むようです。これが最大の注意点です。
接合したDEMは,SIMPLE-ARRAY形式でエクスポートします↓。

Byte Orderは,High-Lowの順番を指定します。
バイト並びの根拠は赤い下線の通りです↓。

カシミール3DのQ&Aより
フォルダを作成し(ここではexp_simple_array),ファイル名はデフォルトの”MOSAIC”のままOKを押します↓。

エクスポート後のファイルのエクスプローラ表示です↓。

拡張子はなく,容量は約130MBです。
ここでExcelを使います↓。

赤枠内は,1画素当たりの経度の増分(XDIM,10進数の度単位)を計算しています(前掲Q&A図参照)。
同様に,1画素当たりの緯度の増分も計算しておきます。
また,Map Calculatorで算出した,左上隅のTokyo測地系での経緯度を,10進数度単位へ変換しておきます↓。

これまで得た情報を元に,以下のヘッダファイルをテキストエディタで作成します↓。

項目の説明は前掲Q&Aを参照してください。
DEM本体のMOSAICに,拡張子".bil"を追加します↓。

(3)へつづく。