私の富山県職員としての最後の森林学会(+関連研究集会)を終え,昨日(札幌)→(富山)直行便にて帰宅しました。
研究職に転じてから約34年間,自分なりに頑張ったと思います(博士号も取れたし)。
私は京大林学科出身ですが,森林リモセン分野には京大出身者が一人もおらず(たぶん,過去も現在も私ひとり?),先輩後輩のつながりが全くなく,ずいぶん寂しい思いをしました。
私は都道府県の職員ですが,地方林試で森林リモセンをやっている方も,以前は北海道,岩手県,広島県,沖縄県などにおられましたが,ほぼ絶滅してしまい,すっかり寂れてしまいました。
そんな中で,リモセンを始めた頃から3回,短期研修でつくばの森林総研でいろいろ教えてもらい,そのつながりで人脈も増え,私の研究生活に光明を与えてくれました。
といっても,衛星リモセンでは大した成果も出ず(県レベルでは衛星の解像度が粗すぎたり,高分解能衛星の価格が高過ぎたり),航空機LiDARは大手航測会社とコネのある大学や国研の方だけが研究し,県の研究者は取り残された感が一時期ありました。その後20万円前後で買える光学ドローン(UAV)が普及し始め,自分で超高解像度のリモセンデータを取得できるようになり,再び県の研究者でも勝負できる(論文が書ける)時代が来ました(←今ここ?)。
※レーザードローンは県レベルでは高価格で手が出ない
私が今回一番興味を引かれたのは,SAM(Segment Anything Model)です。私が聴講した発表では以下の2題がこれを使っていました。
・D-25 UAV画像と機械学習を組み合わせた樹冠抽出及び樹種分類 若槻ら 東京理科大
・D-29 3波長同時計測航空機LiDARデータを用いた広葉樹の樹種間特徴の比較 山口ら 名古屋大
経営部門の発表要旨リンク集はここ↓
https://www.forestry.jp/meeting/meeting136db/?presen_stp=2&presen_tar=%E7%B5%8C%E5%96%B6%E9%83%A8%E9%96%80%5BForest+Management%5DfacebookをやっているMeta社が開発したAIによるセグメンテーションモデルで,無料です。
QGIS用のブラグイン(
Geo-SAM)があることも教えてもらいました。
さっそくホテルのWi-Fi環境下で私のPC上のQGISにもインストールして,ちょっとだけ使ってみました。画像の適当な範囲を矩形で囲むと,その中のオブジェクトのポリゴンを一瞬で作ってくれました。感動です。
セグメンテーションを行う有料ソフトには,
eCognitionがありますが,今買うといくらでしょうか?
今回の発表では,森林の樹冠抽出に使っておられましたが,例えば,
・微地形表現図を対象に,古い道(廃道となった登山道や古道など)を探索する
・過去写真オルソを対象に,林相の境界線を発生させ,森林境界明確化の参考にする
などの使い方があるのではないでしょうか?
読者の方は,このアイディアを盗んで,どんどん試してみてください。
Geo-SAMプラグインのインストールと使い方ははこれら↓(普通のプラグインとは導入方法が異なる)
https://qiita.com/jtagusari/items/8ccef11deb8ddba22a89https://zenn.dev/syu_tan/articles/8e22f61ba8a761が参考になると思います。
いずれ導入方法を解説した動画やブログ記事を作ろうかな,と,ちょとだけ思っていますが,もしやるとしても,4/1以降の広告解禁後にしようと思います(笑)。
(謝辞)
Geo-SAMについて,学会の会場でいろいろ教えてくれた,名古屋大D1のOさんにお礼申し上げます。
posted by Dr.koba at 06:08|
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