2021年12月18日

富山県の国土基本図ポリゴンを作る

6ヶ月前に,富山県の国土基本図2500の図郭が欲しくて探したけれど見つからなかったという記事を書きました。
https://gpsrsgis.seesaa.net/article/481976540.html

先日交流のある方((株)フォテクのNさん)から,ツールを公開しているよと教えてもらいました。
https://www.photec.co.jp/html/download/download.html
結果的に,2500の図郭ポリゴンが,座標を手入力することなく,作成できました。
ありがとうございます!

この記事では,富山県以外の方にも役に立つように,都道府県ポリゴンのダウンロードから,上記ツール(TilePolygonMaker)での国土基本図図郭ポリゴンの作成方法まで,解説してみます。

市町村ポリゴンは地理院やESRIなどが無料公開しているのですが,県ポリゴンは探してもなかなか見つかりません。
かなり検索しまくって,やっと見つけました。
地図蔵(ちずぞうorちずくら?)というサイトで,47都道府県のgeojsonフォーマットのものが公開されていました。
https://japonyol.net/editor/article/47-prefectures-geojson.html
公開ありがとうございます!

以下,元データ,ツール,QGISを使って図郭ポリゴンを作るまでの画面と解説です。

地図蔵サイトからダウンロードした,都道府県のポリゴンデータファイルです。
国基図ポリゴン作成_01.png

QGISで表示したところです。
国基図ポリゴン作成_02.png
元データは,EPSG:4326(WGS84測地系,経緯度座標系(地理座標系,LL,LatLon,経緯度座標系))だが,TilePolygonMakerはこれに対応していないので,平面直角座標系に変換する必要あり。

データベースを開き,図郭作成対象の,「富山県」を選択
国基図ポリゴン作成_03.png

prefecturesレイヤを右クリックし,エクスポート/選択地物の選択を選ぶ
国基図ポリゴン作成_04.png

出力ファーマットはshapeで,出力先のフォルダを選び,ファイル名を入力(「富山県」)し,CRSにJGD2011測地系,平面直角第7系(EPSG: 6675)を選んでOKをクリック
国基図ポリゴン作成_05.png
対象県が第何系なのか,予め調べておくこと
例えばここ参照
https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/jpc.html
(EPSGコードでもよい)。

CRSの選択画面の例
国基図ポリゴン作成_06.png

富山県ポリゴンができた。
国基図ポリゴン作成_07.png

国基図ポリゴン作成_08.png
QGISは一度終了する。

作成したシェープファイル(.shpほか一式)のエクスプローラ画面
国基図ポリゴン作成_09.png

(株)フォテクのサイトからダウンロード,解凍した,TilePolygonMaker.exeを起動したところ
国基図ポリゴン作成_10.png

シェープファイルにQGISで作成した,富山県.shpを選び,出力フォルダを指定して,Startをクリック(図郭のデフォルトは2500)
国基図ポリゴン作成_11.png
※この画面の,平面直角 第(  )系の欄で(07)を選ぶと,作成される国土基本図図郭ポリゴンの名称の頭に,「07」が付くが,私の場合は富山県のみが対象であり,系の異なる図郭は扱わないので,敢えて系は指定していない(名前が長くなり,ポリゴン内に名前を表示する場合に,はみ出したりフォントを小さくする必要があるから)。

処理は一瞬で終わる
国基図ポリゴン作成_12.png

作成された,国土基本図2500の図郭ファイル群です。
国基図ポリゴン作成_13.png

ついでに,5000の図郭も作ります。
国基図ポリゴン作成_14.png

富山県のポリゴンに
国基図ポリゴン作成_15.png

国土基本図5000の図郭を重ねた画面
国基図ポリゴン作成_16.png

さらに,2500図郭を重ねた画面
国基図ポリゴン作成_17.png

全体画面です
国基図ポリゴン作成_18.png

グーグルハイブリッド画面を一番下に置いた表示例です。
国基図ポリゴン作成_19.png

5000のラベルを表示した画面です。
国基図ポリゴン作成_20.png

2500のラベルを表示した画面です。
国基図ポリゴン作成_21.png

2500の拡大画面です。
国基図ポリゴン作成_22.png

以上で説明終わりです。

追伸)
富山県ではH31,R1,R2で全県民有林の航空レーザー計測がほぼ終了し,0.5mメッシュの地盤面標高データ(DTM/DEM)が整備されました。

提供されたDTMの生データは,
(1)H31(国土基本図2500単位のテキストファイル)
(2)R1(同上)
(3)R2(国土基本図5000を10x10等分した,1/100単位のテキストファイル)
とバラバラで,どの単位でラスタ化して管理するか悩んでました。

今回,2500の図郭が作成できたので,(1)〜(3)までを,2500図郭単位でラスタ化し,管理することにします。
また一歩前進しました。

謝辞)
地図蔵さん,(株)フォテクさんに深甚なる謝意を表します。









posted by Dr.koba at 11:34| Comment(0) | GIS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする