2021年12月06日

QGISでNDVI画像を切り出す

先日県内某研究所の研究員から,ドローン空撮画像からPix4Dmapperで作成したNDVI画像を,任意の領域で切り出し,その領域内の統計値(平均値)を見たいのだがどうすればよいか?という質問を受けました。

私が普段使っているTNTmips(85万円)ではどうやればよいか,すぐにイメージが浮かんだのですが,QGIS(0万円)ではどうやればいいのか?,私にもわかりませんでした。

ネットで調べたり,試行錯誤して,なんとかできました。
ここが参考になりました。
https://lemulus.me/trygis/polygon-create-edit
冒頭から,「レイヤ」であるべきところが「ベクタ」と誤記もありますが..

マルチスペクトルカメラで撮影した画像をPix4Dmapperのデフォルトで処理すると,WGS84測地系,UTM座標系のNDVI画像ができます。
Geotiffなので,QGISですぐ開けます。

QGISで開いたところ↓
ndvi切り出し_01.png

画像のプロパティで情報を表示すると,画像の統計値が見られます↓
ndvi切り出し_02.png

ndvi切り出し_03.png

ヒストグラムも見られます↓
ndvi切り出し_04.png
NDVI=(NIR−R)/(NIR+R)であり,
近赤外域(NIR)が0のとき,NDVI=−1(マイナス1)となり,
可視域赤(R)が0のとき,NDVI=1(プラス1)となります。
−1.0<=NDVI<=1.0
この画像は北側にNIRが小さい,海を含むので,マイナスもあります。

切り出し用の領域ポリゴン(注目領域,ROI(Region of interest)を作ります↓
ndvi切り出し_05.png

切り出し元のNDVI画像があるフォルダを指定し,「領域A」という名前をつけて,ジオメトリタイプでポリゴンを選ぶ
ndvi切り出し_06.png

「領域A」というレイヤが作成され,レイヤリストに表示される
ndvi切り出し_07.png

ndvi切り出し_08.png

ndvi切り出し_09.png

ndvi切り出し_10.png

ndvi切り出し_11.png

ndvi切り出し_12.png

ndvi切り出し_13.png

ndvi切り出し_14.png
編集モードを終了しないと,切り出しに失敗します(私,何度も引っ掛かりました)。

ndvi切り出し_15.png

NDVI全体画像を領域Aで切り出します↓
ndvi切り出し_16.png

ndvi切り出し_17.png

ndvi切り出し_18.png

ndvi切り出し_19.png

ndvi切り出し_20.png

ndvi切り出し_21.png

ndvi切り出し_22.png

ndvi切り出し_23.png

ndvi切り出し_24.png


切り出した領域のNDVIの統計値を見ます↓
ndvi切り出し_25.png

ndvi切り出し_26.png
はいっ。この平均=0.55542・・が,質問者が欲しかった答えになります。


ndvi切り出し_27.png

ndvi切り出し_28.png

切り出したのは陸地の領域(クロマツ林の林縁部)なので,マイナスが消えましたよ。


posted by Dr.koba at 14:45| Comment(0) | QGIS(無料GISソフト) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする