2021年08月31日

MetashapeとPix4Dmapperの比較(2)

国土地理院が撮影したカラー空中写真140枚(概ね2.5万分の1地形図の範囲)のサムネイル画像です。

魚津1975_生140枚.gif
富山県と国土地理院との協定に基づき,1270dpiでスキャンした画像データを無償で入手しました(数年前)。
1枚当たりのピクセル数は,12,000×13,000=156,000,000ピクセル=156MP(メガピクセル)になります。

これをMetashape proでオルソモザイク化すると,こんな感じになります。
魚津1975オルモ_meta.png
作成手順はこの文献を参照願います。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjfes/32/4/32_32.197/_article/-char/ja/

手動でパンの耳を切り取らなくても,Metashapeが勝手に写真外周部を削除し,うまいこと接合してくれます。
(これは素晴らしい機能だと私は思います。)

Pix4Dmapperは標準ライセンスでは写真1枚当たりの最大ピクセル数が55MP(メガピクセル)であり,
https://assets.ctfassets.net/go54bjdzbrgi/1Gm0UGAZ9WQMSOewk6Kya4/92ecdd27b1ed0cda8fc075aebd5ea9cf/Pix4Dmapper_feature_list_v4.6_Japanese.pdf
上述の156MPの写真画像は処理できません。

今回,Pix4D社のご厚意でラージフレームアドオンを使用さてていただく機会を得て,Metashapeと同じ処理をやってみました。
処理は春にやったのですが,比較記事をアップするのが遅れました。
すいません。

結果としてできたオルソモザイク画像はこれです。
魚津1975オルモ_p4dm.png
前回の比較記事と同じく,
・テンプレート:3Dマップ
で処理をしました。
Metashapeのオルソモザイクよりも小さなオルソモザイクができました。

パラメータを調整すればもう少し広い範囲のオルソモザイクができるのかもしれません。
機会があればやってみたいと思います。

2021/9/1追記
レポートを上げておきます。
魚津1975カラー_Metashape.pdf

魚津1975カラー_report_P4D.pdf



posted by Dr.koba at 11:18| Comment(0) | 写真測量 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

論文掲載のお知らせ(森計誌)

森林計画学会誌の最新号(UAV特集号)に私と(株)パスコとの共著論文が掲載されました。

タイトルは,
「RTK機能搭載UAVとGNSS移動基地局の組み合わせによる写真測量の精度検証」
で,使用したUAVはDJI Phantom4 RTKです。

要旨は,
「GCPの測量コスト削減を目指し,RTK機能搭載UAVによる直下視撮影と斜め撮影を行い,位置精度を検証した。GCP数が0,1,5個の場合の検証点での3次元RMSEは,直下視撮影でそれぞれ7.5〜14.0,4.2〜6.7,2.4〜3.6cm,斜め撮影でそれぞれ6.1〜9.5,2.0〜3.3,2.7〜5.5cmとなった。斜め撮影の0GCPでは水平,垂直RMSEとも10cm未満となり,GCPなしでも森林計測には十分な精度が期待でき,さらに高精度を目指す場合はGCPを1個設置するのがよいと考えられた。」
です。

興味のある方,先着5名に別刷を差し上げます。
ほしい方は,drkoba84アットマークgmail.comへ送付先住所をお知らせください。

経緯)
P4RTKを昨年6月に購入し,基地局(D-RTK2)の設定にさんざん苦労し,なんとかRTK状態で飛ばすことができた。
自力で測量(低コスト2周波GNSS受信機)した測点に対空標識を置き,精度検証をした。
結果を森林利用学会に「速報」として投稿した。
レフリーから,先行研究のレビューがないと言われ,いったんとん挫した。
真値の位置決め精度を上げるため,地元測量業者に地上測量をお願いしたら,やってもいいと言われたが,今は繁忙期だから後日と言われた。
その後,(株)パスコさんと,森林内のGNSS測量について共同研究を行うことになり(投稿中),その測点をP4RTKの精度検証にも使うことにした。
先行研究は,日本語で書かれた論文には,土木分野も含めてろくな論文(引用に耐えるような科学的な検証論文)がなく,インターネット検索で,イタリアでの精度検証事例2本を見つけ,これをレビュー,引用した。
森林計画学会誌がUAV特集を組むという告知があったため,投稿先を森計誌へ変更した。
4月に受理され,6月発行予定であったが,遅れに遅れて2か月後の8月下旬にやっと発行された。
誰が遅らせたかははっきりわかりませんが,各報告の末尾にある原稿受理日が参考になるかも。




posted by Dr.koba at 05:42| Comment(0) | ドローン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月28日

MetashapeとPix4Dmapperの比較

ここ数年,海岸クロマツ林のドローンによる空撮を定期的にやっています。

今回
・2種類のドローン(Phantom 4 RTKとMavic Air)
・2種類のSfMソフトウェア(Metashape ProとPix4Dmapper)
による処理結果を比較してみました。

飛行高度は2機とも50mです。

Metahapeは,私がいつも使っている設定
・アラインメント精度:中
・高密度クラウド構築精度:中
・3Dモデル構築精度:高
で処理しました。

Pix4Dmapperは,グリッド飛行計画で取得した航空写真を処理する際に使用する,
・テンプレート:3Dマップ
で処理しました。

比較図を4枚載せておきます。
図1.jpg

図2.jpg

図3.jpg

図4.jpg

詳細な比較はさておき,
Mavic AirとPix4Dmapperの組み合わせではDSMが潰れて(粗い,細かな凹凸が再現できてない,図-4(a2))しまうことがわかりました。
DSMが粗くてもそれなりのオルソはできるのですが,これでは樹高測定には使えませんね。

センササイズの違い(Mavic Airは2.3分の1インチ,Phantom4 RTKは1インチ)もあるのでしょうが,Pix4Dmapperは,表面の凹凸をなるべく滑らかにするようなフィルタが組み込まれているのでしょうか?

オプションで凹凸を忠実に再現するような設定があれば改善するのかもしれません。

森林研究分野でも,
・Metashape派(私はこっち)と
・Pix4D派
がおられると思いますが,Pix4D派の方,良いオプションがあれば是非お教えください。


追伸)
レポートを見たいというリクエストはありませんが,参考までに2つのソフトが吐き出したpdfファイルを載せておきます。

Meta_R030823_目川_MAir.pdf
P4Dm_R030823_目川_MavicAir_report.pdf

posted by Dr.koba at 11:22| Comment(1) | ドローン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする