1つ前の記事の,「
空中写真の標定図」でダウンロードした地図画像355枚に位置座標を与えているところだが,5つのパターンがあることがわかったので忘れずメモしておく。
古い順に書く。
(1)米軍撮影のもの
写真は古いが,標定図そのものは測地成果2000前の,Tokyo測地系,UTM座標系の1/5万地形図でできている。TNTmipsでの設定例は以下の通り↓。

四隅の緯度,経度ともにきりのいい数字。「下梨(しもなし)」の例。
(2)地理院撮影の60年代のものの一部
地図のタイトルが左から(例えば「下梨」)ではなく,(「梨下」)と書いてあるものは多面体図法で書いてある。この設定法については以前,「
10.4秒のずれ」というタイトルで記事を書いた。
TNTmipsでの設定例↓。

四隅の経度が,(1)の数字+10.4秒となる。
その後,地理院の60年代以降のものは,いったん(1)に戻る。
(3)2001年撮影1/6,000のもの
これは写真1枚当たりの撮影範囲が広く,標定図が1/5万ではなく1/20万の地勢図になっている。測地成果2000は反映しておらず,Tokyo測地系のUTMである。
TNTmipsでの設定例↓。

(4)最近のカラー撮影のもの
これらは,背景の地形図がカラーであり,多くのものがJGD2000測地系のUTMのようである。
TNTmipsでの設定例↓。

四隅の緯度,経度は,(1)と同じ値でOKです。
(5)最近のカラー撮影のもの(一部?)
「三日市」の最新カラー撮影の標定図は,JGD2000のUTMでgeorefすると400〜500m位置ずれが生じた。TokyoのUTMではずれなかった。
TNTmipsでのうまくいった設定例↓。

別途購入の5万地図画像と重ねてずれるかどうか確認した。
(4)のJGD2000測地系と(5)のTokyo測地系の混在は非常に紛らわしいですね。
さらに最新の標定図は解像度が低く,地名等も判読できずに最悪です。
全ての標定図が,geotiffなどの位置座標付き画像で提供されれば,こんな苦労はしなくていいのに..
今度写真を注文するときにでも,日本地図センターに提言してみます。
最近,ちょこちょこと古い写真を買っているので..
posted by Dr.koba at 05:19|
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